知らない貴方と、蜜月旅行
吏仁が休みの朝、吏仁の携帯が鳴り、ディスプレイを見た吏仁は寝室へと場所を移した。


……べつに、ここで出たっていいのに。こういうのってさ、浮気してる男性がやるので有名だよね。


でもね、吏仁が浮気してても、文句は言えない。会話もほぼなければ、もちろんキスもハグもエッチだってない。そりゃあ、浮気だってしたくなる。エッチに関しては、一度もないからね。ひどい女だって自分でも思う。


「紫月、出掛けるぞ」
「あ、うん。行ってらっしゃい」


吏仁の浮気相手って、どんな人なんだろう。きっと、私とは正反対の可愛らしい良い子なんだろうなぁ。


「いや、お前も行くんだけど」
「えっ、そうなの…?」


浮気相手とは、電話だけでいいんだ…。あー、夜に会いに行くのかなぁ。いつも帰りが遅くなったのは、こういうことだったのかもしれないね。


「なに、俺とは出掛けたくないわけ。そんなに元彼がいいのかよ」
「えっ!?ちがっ、浮気相手、あ、ちがっ、なんでもない…!」
「は?」


マズイ!なんで浮気相手なんて言葉出しちゃったのよ!そもそも吏仁が亮太のこと言ってくるから悪いんだよ…。てか、吏仁の眉間の間…怖い…私、殺されるかも…。


「なんだよ、浮気相手って」
「いや、違うの。間違えたの。だから、忘れて?」
「なに、お前が浮気してんのか」
「はっ?違うよ!吏仁だよ!……あ」


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