逃げられるなんて思うなよ?
「……うん。私、あなたがいないと駄目。
あなたがいないと、きっとすぐ怠けちゃう。
だから、いつまでも私のこと見張っててね」

「おう、お安い御用だ」


斗季生がにやりと笑った。


「ただし、厳しくいくからな。
もう二度と遅刻なんかするな。
俺から逃げられるなんて思うなよ?」

「はい、気を付けます」


斗季生の束縛は、厳しいけど、優しい。


「じゃ、寝坊しないように早く帰れ」

「うん」


私はゆっくりと斗季生から離れた。
名残惜しさを感じながらも、通用口のドアを開ける。

思わず振り向くと、斗季生が壁に背をもたれさせて、こちらに手を振っていた。


「気をつけて帰れよ。
また明日、ここで待ってるからな」

「うん。また明日ね!」


私は晴れやかな気持ちで外に出た。

数時間には、またここに戻ってくるわけだ。
そう思うと、いつも気が滅入りそうになっていたんだけど。

まあ、斗季生が待ってるから、また会いに来てやらなくちゃね。


いつも仁王立ちで通用口に待ち構えている斗季生の姿を思って、私は自然と笑みを浮かべていた。




*Fin.



擬人化プリンス【タイムレコーダー】

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