小さな温かさ

「あ、懐かしいなこれ。」


そう言ってカナメが出していたのは数ヶ月前におこなった、双子の誕生日会のレシートだった。

私たちは大学を卒業しても付き合い続け、とうとう5年前に結婚をしたのだ。

今は可愛い双子の子供たち・・・だんだんわがままになっていく娘と息子がいる。


「そういえば、こんなこと昔もあったよね?」


笑いながら私は言った。


「な?結局、どんどんたまっていくだろ?」


笑いながらそう返したカナメは、あの日の些細な出来事を覚えていたらしい。


「リナ、これからもよろしくな?」


あの日、笑いながら言ったことをカナメは守ってくれている。

そんな当たり前のことを・・・と思いながら、当たり前でしょ、と私は笑顔で返したのだった。

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