金曜日の恋奏曲(ラプソディ)



私はタイミングを計りかねていた。



月曜日の昼休み。



朝から、りっちゃんとはまだ1回も話していない。



もちろん、いつもみたいにお弁当バッグを抱えてりっちゃんがこっちにやってくることもない。



私はずっと、様子を伺っていた。



私から声をかけるのが道理だと、それは分かっている。



私は半日、ずっと一人だった。



りっちゃんも、そうだった。



けど、それは最初だけで、移動行く?なんてりっちゃんにはすぐに声がかかる。



…今更、周りの目が気になるとかそんなんじゃない。



…ましてや、一人が嫌だからなんて、そんな理由でりっちゃんに謝ろうとしてるとか、そんなんでもない。



多分そんな邪な気持ちで形だけの詫びを入れても、りっちゃんには見抜かれる。



私には、その時だけ隣にいてくれる人を求めることより、りっちゃんと本当に分かり合うことの方が圧倒的に大事だから。



でもじゃあ何かって…りっちゃんは、その誘いをずっと断って、ずっと一人でいたってこと。




それが何を意味するのか。




…今日ほど、自分の臆病さを嘆いたことは無いんじゃないかってくらい。




今日ほどりっちゃんの強い優しさをこんなに強く感じたことも、多分、無い。



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