キミに想いが届くまで。
運命は時に残酷だ
「莉子、おはよう!」
「あ、絵梨ちゃん!
おはよう。焼けたね」
「何で莉子も一緒に海に行ったりしたのに、焼けないの?」
「赤くなるだけで終わるんだよね」
「うらやましい~」
登校中、絵梨ちゃんに会ってそのまま一緒に学校に行く。
私たちは高校2年生になった。
奏汰くんが転校してからちょうど3年が経った。
今日は始業式で2学期が始まる。
あれから奏汰くんのことを忘れたことは一度もない。
また、会いたい。
会ったら今度こそ伝えるんだ。
だけどこの3年間、奏汰くんへの手がかりなんて一つもなく、中学の時の担任が言った九州に転校したことしか知らない。