キミに想いが届くまで。
思わず声を出して笑ってしまうと、眉間に皺を寄せて私を見る。
「何笑ってんだよ」
「いや、三浦くんがかわいいなって」
「はぁ!?」
「私、今の三浦くんを知りたいって心の底から思った」
今の奏汰くんのことを。
もう一度友達になりたいって思っておきながら、私はただ昔の奏汰くんを追いかけ続けていた。
「だから絶対、三浦くんと1番仲が良い友達になる!」
時間はかかるかもしれない。
だって私の中では、中学の時の奏汰くんの存在はどうしても大きすぎるから。
それでも、今の奏汰くんも知りたいなっていう気持ちも本当だから。
「へぇ、じゃあそんなお前に教えてやる。
こんなダッサイきっちりおさげより俺はショートボブが好きだな」
髪の束を掴んでから、顔に投げられる。