キミに想いが届くまで。
自分の髪の毛が顔に当たってから、また戻る。
その時に見えた奏汰くんの顔は、今まで向けられていた私を拒絶するような視線はなくて。
友達への道のりのスタートラインには立てたのかな?
そうだったらいいな。
「そんな私と友達になって」
今のキミと、もう一度初めから思い出を作っていきたい。
高2の秋から、これからの記憶を私たちで埋めていきたい。
「……頭痛いから寝るわ。
邪魔すんなよ」
私の言葉は完全スルーでベッドに行ってしまった奏汰くん。
素っ気ないけど、それでもいい。
少しずつ、少しずつでいいから近づいて行こう。
今の奏汰くんに。