キミに想いが届くまで。



順平くんが口を尖らせる。


だけど、それに見向きもせずに絵梨ちゃんはお弁当を食べ始めた。


私と奏汰くんは絵梨ちゃんにもらったいちごミルクを飲み始め、順平くんは購買で買ってきたパンにかぶりついていた。



そこからはいつもの4人の雰囲気で、奏汰くんと話す回数はさっきよりも当然減ったけど、隣にいるってだけで心が温かくなった。




今までは少し距離を感じていたけど、一歩奏汰くんに近づけた気がする。


そして、もっともっと、奏汰くんに近づきたいって思った。




「で、オレはやっぱりテーマパークがいいと思うんだけど」


「それは疲れそうだから長期休みがいい」


「俺も」


「私も、かな」



来週の日曜日に4人でどこ行くかって話になるけど、なかなか決まらない。


順平くんの意見は彼以外満場一致で、却下となってしまった。




次の日から学校ってことを考えると、できるだけ遠出したくないと思ってしまうインドア派の私。





< 212 / 565 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop