キミに想いが届くまで。
「いつも来るの早いよな」
深田くんが私の2つに結ばれた髪の束を両方持って左右に揺らす。
友達になってから1週間と少し。
深田くんはよく私のおさげの髪で遊ぶ。
「もう癖かな」
「そう」
「これは?」
「もう癖だな」
私の髪を指さしながら聞けば、私と同じ言葉を返される。
でも、深田くんの優しさは知ったから髪をいじられて嫌な気はしない。
「毎朝大変じゃないの?」
その様子を見ていた三浦くんが尋ねてくる。