キミに想いが届くまで。
きっとこのおさげにしている髪のことを言ってるんだろうと思い、小さく首を横に振る。
「もう慣れたから全然。
逆にくぐってないと落ち着かないかな」
校則で髪が長い人は1つか2つにまとめなければいけないんだ。
私の髪は胸下あたりまであるから、くぐっているんだけど、髪が長くてもくぐっていない人もいる。
でも、先生たちも服装検査の時くらいしか言わないから、校則はそこまで厳しいものじゃないみたい。
私はそれでも校則を破る勇気はないから、きっとくぐり続けるけど。
「そっか。
でも、梅ちゃんにはそれが似合うよ」
「オレもいいと思うぞ」
「あ、ありがとう……」
恥ずかしくなって深田くんの手から逃れて、自分で髪の束を持ってそれで顔を隠す。