キミに想いが届くまで。
気を失ってだらっと力ない奏汰くんが担架に乗せられ運ばれていく。
その様子をただ涙を流して見るしかできない。
急に倒れてしまった恐怖に、どうにかなってしまいそうだった。
前触れもなく、本当に突然。
救急車のあの特有な音が始まるとそれはすぐに遠ざかっていく。
足に力が入らなくなる私を、ずっと絵梨ちゃんが支えてくれる。
その絵梨ちゃんも、目に涙をいっぱいに溜めていて唇を強く結んでいた。
周りも突然の出来事に泣きだしたり、ただ茫然としたりとしていたけど、先生がそこは指示して机を戻し気持ちは落ち着かないまま、いつも通り授業を再開した。
だけど、もちろん集中なんてできるわけなく、初めて板書を取らなかった。
私たちはこれからどうなってしまうんだろう?
ふと、脳に直接流れ込んでくるガタガタッと全てが崩壊していくような音が聞こえた気がした。