キミに想いが届くまで。
隠れていた本音
「おはよー!」
朝、教室に響いた元気な声に顔を勢いよく上げた。
私の視界にはニコニコとしている順平くんが映る。
「みんな、この前はごめんなー?
怖がらせたよな。
オレらのケンカに巻き込んで悪かった!」
そう言って深く頭を下げた。
教卓の横で。
順平くんは月曜日からの3日間の謹慎をくらっており、学校に来ていなかった。
奏汰くんとのゴタゴタがあったのは金曜日。
だから、土日を含め5日ぶりになる。
「順平大丈夫かー?」
「あんま気にすんなよ。
お前がムキになるのとか新鮮だったわ」
元々明るい順平くんはクラスでも人気者。
みんなは順平くんのいいところをたくさん知っているからか、責めることも深く事情を聞くこともなかった。
それだけ順平くんが周りからの人望が厚いということだよね。