キミに想いが届くまで。
順平くんが登校してきたことが嬉しくて、胸が熱くなる。
泣き虫は卒業したはずなのに、私はいつだって泣きたくなってしまう。
嬉しくても、悲しくても、怒っている時でも、涙は外へ出たがる。
「おかえり」
順平くんがみんなにもみくちゃにされたあと、私は席を立ちあがって順平くんが来るのを待っていた。
笑顔で言えば、順平くんも笑顔を返してくれる。
「ただいま。
心配かけたな」
「ほんとだよ!」
「ははっ。悪い悪い」
良かった。
いつも通りだ。
順平くんの笑顔を近くで見ても、無理しているようには感じない。
そのことにホッとして、息を吐いた。