キミに想いが届くまで。
ココアを飲んで気持ちを落ち着かせる。
大丈夫。
こんな日だからこそ、笑顔でいなきゃいけない。
最後に笑ってお別れしたいから。
みんなとは、楽しかった思い出で締めたい。
「三浦!」
コンビニのイートインスペースでまた一口ココアを飲めば、名前を呼ばれそちらを向く。
白石が息を切らして目の前に立っており、その後ろにある時計は2時前を示していた。
俺はココアを飲み干してゴミ箱にカップを捨てる。
「よう」
「ようじゃないわよ!」
「そんな大きな声出すなって。
とりあえず出るか」
白石とコンビニを出れば、空が暗くなっていた。
湿った匂いが風に運ばれ、鼻に届く。
雨、降りそうだな。
白石と歩きながらそう思う。
「何か、変な感じだな」
「三浦と2人でいることってあんまないよね」
「確かに」
別に仲が悪いわけではない。
だけど、順平や莉子に比べれば個人で遊ぶことはなかった。
だから新鮮だな。