キミに想いが届くまで。




驚いたような父さんだったけど、何も言わずに車を発進させた。


きっと俺が泣いていたから。



父さんの前で涙を流さなかったけど、我慢できずに声を出して泣いた。





俺が好きなのは莉子の笑顔だったのに。


最後の最後で泣かせてしまった。




分かってたんだ。


俺の片想いだって。

だから言うつもりなんてなかったのに。


困らせるって分かってたから。



だけど、近づいた距離にどこか期待してたんだ。


分かってたのに、期待せずにはいられなかった。





言わなきゃ良かった。


莉子には笑っててほしかったのに。






きっと俺は、この日を悔やみ続ける。


どれだけ月日が流れても、これ以上に後悔する日なんてないんだろう。







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