キミに想いが届くまで。
いつかまたキミに
ばあちゃん家に戻ってから、すぐにシャワーを浴びた。
嗚咽もシャワーが掻き消してくれる。
長いシャワーを終えれば、心配そうな顔をした父さんがいたけど、安心させるために無理やり笑顔を作り2階の部屋にこもった。
目に焼き付いて消えないのは莉子の泣き顔。
いつかのうれし涙じゃないはずなのに、見惚れるほどに綺麗だった。
そう思う自分にまた腹が立つ。
明日の朝早くに、ここを発つ。
最後の最後に俺は失敗したんだ。
散々泣いたくせに、また涙が浮かんでくる。
ださい。
こんな自分、ださすぎる。
自業自得なのに。
情けない自分に、おもしろくもないのに笑いが零れる。
ちゃんと、別れの言葉も言えなかった。
これ以上、心残りを増やさないために俺は机に向かう。