キミに想いが届くまで。

目が覚めたら






まだ震えが止まらない。


奏汰くんとはまだ会わせてもらえない。



どんな状況なのか。


分からないから不安でいっぱいだ。




涙がとめどなく溢れて、止まることを知らない。





「梅田」



頭上から呼ばれ、涙でぐちゃぐちゃの顔を上げれば担任がいた。


私に目線を合わせるようにしゃがみ込む。





「お前は良い判断をしたよ。
おかげですぐに医者も、俺も、三浦の父さんも動いてここにいる。
1人でよく頑張ったな。
救急車でも冷静に状況説明したんだろ?
さっき聞いたよ」



私は必死だったからきっと冷静ではなかった。


だけど、やれることができていたのなら良かった。




「ふぇっ……」


「泣くなって。
お前が泣いたら俺まで泣けてくるだろ」





頭をポンポンと撫でられて、余計に涙が溢れてくる。




< 494 / 565 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop