キミに想いが届くまで。
「莉子も呼んでよ」
「え?」
「奏汰って」
「……」
三浦くんを下の名前で?
男子を下の名前で呼んだことがない。
恥ずかしい。
でも、呼びたい。
そう思ったら早かった。
「奏汰、くん……奏汰くん」
緊張しながらも呼んでみると、嬉しそうな表情になるから何度でも呼んでしまう。
「奏汰くん!奏汰くん!」
「ははっ」
これだけではしゃぐなんて、まだまだ子供なんだろうけど、それでもただ楽しかった。