怨み赤子
カラオケ
結局ユキの支払いは勉がしていた。


ユキがトイレから出て来るまでの間に勉は大きなため息を吐き出して、「あいつ、金遣いが荒いんだよな」と、呟くように愚痴っていた。


結局このカップルはこれでお似合いなのかもしれない。


お互いにお互いの事が好きで、だけど許せない部分もあって。


それでも別れないのだから、許せない部分も含めて認めていると言う事かもしれない。


「じゃぁ、あたしは帰るから」


そう言ってユキに背を向けようとした時だった。


「ちょっと待って! まだ時間大丈夫だよね?」


「えぇ? ご飯はもう食べたじゃん」


「そうだけど……カラオケ行かない? 2人で!」


ユキがそう言う。


ユキの後ろに立っている勉に視線をやると、勉は軽く肩をすくめた。


「じゃ、俺は帰るから」


「うん。ばいばい!!」


ユキが勉に手を振った。


うそ、今からユキと2人きり!?


嫌な予感が胸に渦巻く。


しかもカラオケなんて、絶対に嫌だ。
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