怨み赤子
「あたしたち、青春してるよね」


そう言ってみると、カナミは照れたように頬を赤くした。


好きな事を一生懸命やって、結果を残して、将来へつなげる。


そしてまた新しい事へ踏み出していく。


思っているだけじゃなにも変わらない。


口に出すだけでも何も変わらない。


大事なのは、結果を恐れずに行動していくことだ。


「でも、コンテストには沢山落ちて来たよ」


カナミが言う。


「そんなの、あたしもだよ。何百人、何千人の中の1人に選ばれるんだもん。入賞はそんなに簡単にできることじゃないよ」


「そうだよね。そう思うとコンテストに落ちてもすぐに立ち直って、また作品を書く事ができるんだよね」


カナミの言葉にあたしは大きく頷いた。


「ダメ元で出した作品がいい所まで行ったりとか。本当にわからないよね」


「うん。自分でもわからないまま、入賞してる」


カナミはそう言い、笑った。


この結果に一番驚いているのは、カナミ本人かもしれない。
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