letter〜この出会いは運命〜
朝からドキドキさせられた。私は夜美ちゃんと新地君の手を取って走って教室に向かった。
新地君は別のクラスだから下駄箱で離れたけど。
はぁ。朝から凄い言葉を聞いちゃったなぁ……。
教室に着いた途端私の周りには沢山の人が集まってきた。
何でこんなに!?
「新地と付き合い出したって本当?」
「彼女じゃないわよね?」
「嘘よね?」
など沢山の言葉がかけられた。
朝から大変だぁ……
初めて朝から女の子に追いかけられる新地君の気持ちが分かった。
「ちょっと聞いてるの?」
とクラスの女の子に肩を押されてバランスを崩す。
「わ、あ、あの」
わぁっ!
あれ?倒れてない。
私の後ろには夜美ちゃんがいた。
「ちょっと退いてくれない?あと、私の和歌に何かしたら許さないわよ?」
と夜美ちゃんがみんなを睨みつけた。
ひっ!
自分に向けられた睨みでは無いと知っていても怖いものは怖い。
やっぱりみんなもひっ!と言って道を開けてくれる。
普通の夜美ちゃんは可愛くて美少女だけど
睨んだり、しかめっ面の夜美ちゃんはとても怖い。
何年一緒にいても慣れないなぁ……。