唯一愛した君へ





そういってニコニコしていたが、

――…急に宙に浮いた。



気付いたらあたしは抱き抱えられていた。


……そして寝室に向かう。




『!?ちょっ…!シンっ!?』



あたしはお姫様抱っこをされているシンの腕の中で暴れる。




『明日から優梨は女子高生に戻るんだし、その前になっ♪

一応俺20で成人やし、微妙に犯罪者気分になるんやで〜?』




なんかのんきに鼻唄を歌いながら、降ろしてくれる気は更々ないらしい。




『まっ、待ってよっ!!まだどっちが勝ったか聞いてないしっっ!!』



約束が違うよぉ!

と喚きたてると……



ベットに丁寧に降ろされ、





『あぁ……そんなん、あいつに決まってるやろー?』



あたしの正面に来て、
ニコッと笑い、軽い口調でふざけながら言った。



『な…っ!』


あんまりあっさり言うもんだから、ひどい!騙したの?
とか言おうと思ったのに……




その前に唇を塞がれた――。




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