略奪*アリス
…あ、そういえば。
最近借りて読んでいたファンタジーの小説を読み切った事を思い出す。
…通り道だし、また図書館で新しい本借りてこようかな……
そう思い、私は寮に向けていた足を、通り道である図書館へと向け、また歩き出した。
ガチャ…
ドアを開けると、綺麗に整頓されたエントランスが広がっている。
「あ、轆轤院さん。こんにちは。今日は何かお探しですか?」
いつも、そう。
ご機嫌伺いに、そうやって聞いてくるのは図書館の案内係の女の人。
「いえ、暇つぶしに。適当に取って借りていってもいいですか」
感情を込めず、冷たく息を吐くようにそう言って、私は人が来づらい1番奥の本棚へと向かう。