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電車を降り、駅から少し歩いて見えたのは2.5mほどある大きな門。

私はその前に仁王立ちし、大きく息を吸った。

「よし!」

そのとき、門番が私に気づいた。

「花音お嬢様!」

門を挟んで、門番は深々と頭を下げる。

「中に入れて。」

「かしこまりました…後ろの方はどなたですか?」

「私の連れなんだからいいでしょ。」

「はいっ!申し訳ございませんでした!」

ゴゴゴッと音をたて、門がゆっくりと開いた。

先を急がなければならない。

門番は大丈夫だったが、神無月の顔を知っている人はこの家にかなりいるはずだ。

もし神無月の存在がバレたらどうなるかわからない。

侵入者対策をしている可能性もある。

とりあえず前だけ向いて、進んだ。

目指すは美音がいるところ。

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