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第五章
私は再び電車に揺られていた。

隣には神無月がいる。

1人で誰の手も借りず立ち、外を眺めていた。

どこに向かっているのか。

それはもちろん私の実家だ。

理由は美音を助け出すため。

助け出すというのは語弊があるかもしれない。

正しくは美音に別の道を示すためだ。

私は中学生の頃、選択肢がなかった。

整備されたただ1本の道を行くしかなかったのだ。

でも、人生はそうであってはならない。

無限大なんだ。

もう1本の道を作ることしか今は出来ない。

でも、その道を行けばその先にはまた違う選択肢があるかもしれない。

もっと広い世界を美音に見せてあげたい。
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