ビオラ、すずらん、年下の君
「俺、36だし正直言うと、早く欲しい。でも、佐原さんはまだ若いし新婚生活エンジョイしたいかな?だったら、しばらくいいよ」
なんだか羽田さんの口調が弾んできた。
新婚…って。な、なんの話…?
「佐原さんって呼び方、変だよな。今日から……」
羽田さんのホッペが赤くなった。
「和香子って…呼んでいいかなあ?」
へっ?何を唐突に。
「え、まあ、いいですけど…」
「これから忙しくなるな。まずは和香子のご両親に挨拶する日にちを決めて、それから俺の方。次に双方の家族で食事会でもしようか?」
羽田さんは、うん、うんと嬉しげに頷きながら、1人でどんどん話を進めて行く。
挨拶?食事会?
な、なになに?私達、いつからそんな関係になったの?
私が固まっていると、羽田さんの顔が急に曇った。
「あれ?もしかして、子供はあんまり欲しくないとか?和香子がそう考えてるなら、俺は君の意思を尊重するよ。犬かネコでも飼って可愛がろう?」
「いや…(子供とか)そういう問題じゃない」
困惑する私の脳裏にある考えが浮かんだ。
この店に入る前、私は羽田さんに折り入ってお話ししたいことがあります、とメールで呼び出した。