ビオラ、すずらん、年下の君
電車は反対方向なのに、
「色々、和香子のこと、知りたいし。へんな奴に襲われないか心配だし」とか言ってくっ付いてきた。

でも、悪い気はしなかった。


羽田さんは聞き上手だし、一緒にいると安心する。私は8才の愛鳥オカメインコのビオラの事や中学の時に卓球部に入っていて、3年の時は部長までしていたことなんかを話した。


すると偶然にも羽田さんも子供の頃、オカメインコを飼っていて、中学時代は卓球部&部長だったんだって!


「なあ、和香子。来週、卓球しに温泉でも行こうか?」


家の前で唐突に言われ、私は赤面して俯いた。


温泉って!


「それって…お泊まりってこと…かな?」

「あっ、あ、誤解しないで。卓球なら温泉って短絡的に考えただけ。日帰りでもいい。俺はそんな意味で言ったんじゃない」


羽田さんは、ブンブン首を振ったあと、こほん、と小さく咳払いをした。


「和香子のこと、大事にしたいから。そういうことをするのは、ちゃんとお互いを理解してからにしよう。もし、泊まりで温泉いくなら、別々の部屋をとるよ」


「…はい」

そこまでしなくても…と私は少し呆れた。でも、心の底からふつふつと嬉しさが込み上げてきて。





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