【短】あたしを姫と呼ばないで!?
「なら作戦通りだよ!」
「分かってるって。
あの人以外をここで足止めしとけばいいんでしょ?」
「そうそう!
よろしくね!」
コノハに想い人を伝えてすぐに立てた作戦。
作戦と言えるほど立派ではなく、することは風紀委員会室に彼以外を足止めすること。
その間にあたしは彼にチョコレートを渡すって手筈。
部屋の鍵を外せば、即作戦開始!
カチャリと部屋が開く音に、ドアの向こう側も一瞬動きが止まる。
あたしがドアを開けば、驚いた顔をしている生徒会メンバーたちが立っていた。
どうやら女の子は帰ってしまった模様。
それならそれでいいと、息を大きく吸う。
そして、にっこりと笑うと
「あたしのチョコレートはコノハに渡しておきました!
あたしは帰るのでコノハからもらってください!」
「なっ!
なんで姫が直接くれないの!?」
「リク、あたしのチョコがいらないなら帰っていいよ?
その分はコノハのお腹の中に入るだけだから」
「……姫のいけず!」
「カイ、その余計なことを言ってしまう口は閉じたほうがいいんじゃない?」
「……コノハから貰えばいいんだな?」
「ええ、そうですよ。
カケル先輩」
「よしっ!
では突入するぞー!」
「ヒナタ先輩!
そこまで大げさじゃなくていいですよ!?」
ヒナタ先輩を先頭にみんなはコノハの元へ向かう。
あたしは他の四人に気づかれないように、その最後尾にいたユウトくんの腕を軽くつかんだ。
「ユウトくんは、待って」
「えっ?」
「お願い、ついてきて」
「……いいですけど、どこへ?」
「んー……屋上かな?」
あたしは笑ってそう伝え、二人で屋上へ向かった。