【短】あたしを姫と呼ばないで!?
屋上へつながる扉に手をかける。
あたしは一旦落ち着くために深呼吸した。
生まれて初めての告白。
緊張しないわけがない。
それでもいつまでも扉の前に立っていられないから、前へ進むために扉を開く。
吹きつけてくる風は思っていた以上に寒くて身震いをした。
「ん〜、やっぱり外は寒いね〜」
「では戻りますか?」
「……ううん、人がいない場所が良かったからここでいいの」
「それで僕、何かしましたか?」
心配そうに尋ねてきたユウトくんに首を振る。
「違うよ。
ユウトくんに渡したいものがあったんだ」
そう言ってかばんの中からチョコを取り出す。
そして、驚いているユウトくんにニコリと笑って手渡す。
顔が真っ赤になっているであろうことは、鏡を見なくても分かる。
おかしいと思われていないと信じて、言葉を紡ぐ。
「あのね、ユウトくんのは他の人とは違うものなの。
もし迷惑じゃなかったら──」
「迷惑なんて……そんなことありませんよ!」
「良かったぁ!
あ、あのね、実はユウトくんに伝えたいことが──」
「待って、ください」
あたしに負けず劣らず頬を染めたユウトくんが、あたしの言葉をさえぎる。
「僕から言わせてもらえませんか?」
「……いいよ」
あまりにも真剣な目で、あたしは息が止まる。