君の隣でクリスマスを祝う

sweet november

 十一月に入り、日中も幾らか冷え込むようになった。私はキャメルのコートの襟を立て、北風から自分の身を守る。

 久しぶりに彼の部屋を訪れたあの日、日向は休みを挟まず新作を書くことを了承した。

 ただし、交換条件を一つ私に提示してきた。

『……交換条件、ですか?』

『なに大したことじゃない。十一月四日に私と食事に出掛けるだけです。簡単でしょう?』

 私は日向に新作を書いてもらうために、日向の部屋の最寄り駅にあるレストランへと急いだ。

 普通食事と言ったら夕食を指すのではないかと思ったが、何故か彼の指定した時刻は、ランチだとしても少し遅い、午後二時だった。

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