泥酔彼女


ぽこぺん。


「痛ッッ」


間抜けに響いた音は、私の額にペットボトルが跳ね返った音だった。
どうやら、月島にボトルで軽く殴られたらしい。

折角気持ち良く眠りに入ってた所だったのに!

おでこを擦りながら薄らと眸を開けると、月島が大変不機嫌そうに眉間を刻んで私を見下ろしていた。

そうか、そう言えば彼は酔った私をここまで運んでくれたんだっけ。
自分がベッドの上に居る事に今更気付き、私は愛想笑いを浮かべる。


「ごめん月島。えへへ、何と言いますかそのう、…有難う?」

「何故語尾が疑問形だ」

「だって月島くんちょう怖い顔してるぅ」

「犯すぞてめえ」


ひっと引き攣ったような悲鳴を上げた私を見て、彼は深い溜息を吐くとベッドの傍らに腰掛けた。
水の入ったペットボトルのキャップを開けてくれて、要るか、と目顔で問われる。


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