プリンセスになりませう!?
今もそう。
日本人には珍しいアンバーの瞳を前髪と眼鏡で消し去るように
漆黒の髪で無造作に後ろに一つに束ね、
ダークカラーの特徴のない黒のスーツ姿服は葵の個性を綺麗に消し去っている。
そんな服装の葵の目の前で対応する乗務員は綺麗なメイクに微笑ましい特上の笑顔
デザイナーのワンピース制服に栄えるブルー系のエルメスのスカーフをまとう彼女の方が
艶やかで葵よりはるかにこの場にふさわしく感じた。
飛行機に乗るのは初めてとはいえ普通の座席ぐらいどういうのか一般常識には知っている。
前の座席に小さなテレビやテブールがありサイドの肘掛からはイヤホンで映画や音楽が楽しめる
そして細い通路に少しだけリクライニングが出来る座席がびっしり並ぶ。
だが、葵が座る前方のファーストクラスはカーテンで仕切られ別世界だった。
数少ない最高級席の乗客は落ち着きがあり、見るからにセレブリティ
高級な服に、すばらしい装飾品に包まれて格式高さが漂っている。
リラックスするために伊達眼鏡を外した葵は満たされた環境に驚くばかり
ファーストクラスはエコノミー席の3倍はあり空のスイートルームと言われるだけ広くて豪華で快適。
ゆっくり座れる大きな座席はマッサージ機能が付いてる優れもので
寝る時は完全にフラットに出来るスリーパーシートだ。
有名ブランドのアメニティや大型化されたテレビ、スリッパにパジャマまで用意されていた。