プリンセスになりませう!?
プリンセス誕生!?

「私、今日から入っているチャリティパーティは欠席するわ

明日からの年内予定していたのは全部、葵に行ってもらうから」


そのつもりでと、肩が見える艶やかなブルーのドレス姿で腕を組み

ライトブラウンにカラーリングした長い髪をなびかせながら

愛華様が振り返った。


「全く、何もかも予定が狂ってしまったわ」

イラつきを含む溜息を吐きながら

ドレスに合わせたアイスグレーのカラーコンタクトの瞳も

いつもより彼女を冷淡に見える。


「葵は小さいころプリンセスに憧れていたわよね?

クリスマスだもの、真似事ぐ・ら・い・はさせてあげるわ
 

だけどそのダサいメガネは外しなさいよ


どう、嬉しいでしょ? 私に感謝いたしなさい」


意図を掴めず声の出ない私を見て愛華さまが

いつもの意地悪気に目を細め、言い放ち喉を鳴らして笑う。


彼女の命令ともいえる高圧的な態度は幼い時から変わらない。



ここはマンハッタンにある最高級ホテルのスイートルーム。



その部屋にはリビングにダイニング、2ベットルームに書斎まであり

豪華な空間には素晴らしい柄のペルシャ絨毯が広がり

クリスタルのシャンデリアが眩く輝く

厳選されたデザイナーズ家具に

漆黒に光る見事なグランドピアノが中央に存在感を出し

広いベランダにはプールにジャグジーまで設置されて


初めて日本から出た葵にとっては現実離れした世界

< 2 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop