プリンセスになりませう!?

『ポーン』と食事の最中に小さな音と共に

頭上にあるシートベルト着用の小さなランプが点灯したかと思うと


「この先、乱流の悪いところを通過いたします

機体が大きく揺れると思われますので

シートベルトをしっかりと締めてご着席ください。


放送でのご案内で失礼いたします」

キャプテンから直接アナウンス放送が入る。


夕食の配布をしていた室内全乗務員にも着席の指示が出たようで

迅速に席に着くのを見て葵の不安が大きく膨らみ始めた同時に

行きのタクシーでドライバーとの会話が葵の頭をよぎり出し

思いだしたくもないのに頭の中で再生し出した。


「ねぇ お嬢さん、私は飛行機が苦手でねぇ 

最近はテロがあったり物騒だよ

爆発物に人間、鳥だって侮れないの知ってるかい? 

飛行する鳥一匹で炎上したり飛行機をぶっ潰したりするからね」

鳥が人口構造物に衝突する事故のバードストライクの脅威をフライトの前の葵に話し出す。

「あんな鉄の塊が空に飛ぶなんでどう思うよ

わたしは怖くてたまらんわい

それに乱気流なんかはもっとも遭遇率の高いって知ってるかい?」

一人で弾丸のように話すドライバーが見たバックミラーに

あまりにも不安そうな顔つきで顔を青ざめ聞いている葵がうつっている。

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