陽のあたる場所へ


大学のサークルで知り合い、気が合うグループの中で遊びに行ったり、食事に行ったりしていた仲間の一人である越乃亮。(コシノ リョウ)


卒業して、それぞれ就職してから、仲間みんなで集まるにはなかなか都合が合わない中、亮とは、勤務の曜日や時間帯が同じような形態だったため、二人で会う機会が増えて行き、そのうち付き合うようになって行った。

もっとも仲間達からは、ずっと二人が意識し合ってるように見えていたらしく、いつかくっつくと思っていた、とからかわれたのだが…。

だから、召集がかかっても敢えて辞退して、二人きりにさせたこともあった、なんて話を後から聞かされたりもした。
 

そんなこんなで付き合い始めて五年の間、新社会人として仕事の愚痴を言い合ったり、励まし合ったり、休みも同じだったので、普通にデートもした。

大学の頃から、二人共、地方から出て来て一人暮らしをしていたので、お互いの部屋を行き来して一緒に料理をして食事したり、そのまま泊まったりすることもあった。

一緒にいることが心地好くて、それがとても自然で、楽しくて幸せだった。
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