ずっと君を。





———そして事件は起きた。それは入学式が終わってすぐのこと。


周りには眼鏡でいかにも賢そうな人が多くいる中、ちらほらと制服を着崩してピアスや髪染めをしている新入生も窺えた。


……学力が高くても人は見た目じゃないもんね。


校則も緩いみたいだし、私も胸元付近まで伸びた髪を結わないまま下ろしている。


……わ、あの人綺麗。


そんな風に行く人々を見ながら校門付近で拓人を待っていた私。



「ちょっと来い」



そう不意に腕を掴まれたかと思うと、私は人気のない場所まで連れて行かれた。


……な、何?


眉を顰めながら何かを考え込む拓人は、背を向けて一つ深呼吸をすると真剣な眼差しで私をじっと見る。


ドキッと心臓が跳ねる中、私に浴びせられた言葉は、



「俺はお前と一緒にはいられない」



とても残酷なものだった———。




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