ずっと君を。
◆one◆





「椎、おっはよー!」



朝っぱらハイテンションで挨拶をしてきたのは、入学式の次の日に友達になった高木美亜。


かなり明るい茶髪の彼女は今のクラスだと結構目立つ。


そしてくるくると巻かれた胸下までの長い髪で前髪を作っていないからか、大人びていてとても同じ高校1年生とは思えない。


アイラインもガッツリ引かれたバッチリメイクは中々強烈だ。


一方そんなに派手でなくどちらかと言えば地味な私。


そんな対照的な私達が仲良くなったきっかけは、ただ単に席が隣だったから。



「おはよ、美亜」


「……それにしてもバッサリ切ったねー」


サッパリした私の髪の毛を見て美亜は言う。


私はあの日、入学式の日。ずっと拓人に言われた言葉が頭から離れないまま、どうやって帰ったのかさえ覚えていない。


それほどショックで私にとっては悲しい言葉だった。


だから、そんな気分を払拭しようと肩につかない長さのボブまで切った。


その甲斐もあってか、今はちょっぴり気分がサッパリとしている。


完全に、とは到底言えないけれど。




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