恋は盲目
ーーリリリリ。
暗い部屋の中、私は携帯の着信音で目を覚ました。
机の上の時計を見ると午前5時21分。
部室を出たあと私は真っ直ぐ家に帰り、服を着たままベッドに寝転がった。
どうやらそのまま寝てしまっていたようだ。
そういえば、携帯鳴ってたな。
私は枕元に置きっぱなしの携帯をとり、画面の通知を確認する。
昨日体調が悪いと嘘を言ったので、同好会のメンバーから体調を気遣う連絡がたくさん来ていた。
司からの連絡はない。
私は胸を撫で下ろす。
でもその中に"龍也"という文字。
私の心臓がどくんと鳴る。
ドキドキしながら内容を確認すると、
"明日会おう"
その一言だけだった。
もちろん返事は"いいよ"に決まっている…
はずだった。
なのに今回はどうしても、素直に喜べなかった。
龍ちゃんのそばにいられたら、どんな形でもいい。
ずっとそう思っていた。
でも今は、龍ちゃんがほしいと思っている自分がいる。
私だけを見て、私だけに"好きだよ"と言ってくれたらどんなに幸せだろう。
彼女である美咲先輩、そして浮気相手たちに対して渦巻く
黒い感情に、私は初めて気がついた。