恋は盲目

そう思うようになって間もなく、私は龍ちゃんに告白をした。

『高校の頃からずっと好きでした。彼女にしてください』と。

最近はよく一緒にいて、私が龍ちゃんのそばに一番近い存在だと思っていた。

"いいよ"という答えを期待していた。
でも、私の期待はすぐに裏切られた。

『わりい。俺さ、美咲と付き合ってるんだ』

美咲というのは、同じ同好会の龍ちゃんと同い年の人だった。

『他の人には秘密な』

私は高校1年生から4年間の想い続けた人にフラれた。

同じ大学に入ったって、同好会へ入ったって、そばにいても私は先輩の一番にはなれなかった。

『これからもいつも通りに接してください』

そうは言ったものの、私はしばらく立ち直ることができなかった。


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