恋は盲目

受験に合格し、私は晴れて大学生になった。

入学式の日、サークル勧誘をする龍ちゃんに偶然再会した。
1年ぶりだった。

『あれ、朋じゃん。久し振り』

『先輩……!』

久し振りに再会した龍ちゃんは、昔よりも大人っぽく男らしくなっていた。

相変わらずのシャンプーの香りが、あの頃のほろ苦い気持ちを思い出させた。

ああ、好きだ。

やっぱり1年経っても私の気持ちは変わらなくて、龍ちゃんのそばにいたいと強く思った。

龍ちゃんは大学でもサッカーをしていた。
程なくして、私はサッカー同好会へ入部を決意した。

入部をしてから、同好会の先輩に龍ちゃんが彼女と別れてフリーだと聞いた。

敵わないと思っていた彼女がもう居ないなら、私にもチャンスがあるかもしれない。

それからは私から連絡をするようになり、度々二人で出かけるようになった。

二人でショッピングに行ったり、カフェで高校の頃の思い出を語ったり…

会う度に惹かれる。

私の想いはどんどん膨らむばかりで、
"後輩"から龍ちゃんの"特別な存在"になりたいと思うようになった。
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