アラビアンナイトの王子様 〜冷酷上司の千夜一夜物語〜
「俺は父親と慕っていた人を逆恨みで殺そうとしていた人間だ。
そんな俺がお前と居ていいとも思えない」
「大丈夫ですよ。
最初から、女を惨殺する王様だと思って仕えてますから。
むしろ、罪が軽いくらいです」
と言うと、父親殺しが罪が軽いか!? という顔をされた。
「……それでもお前がいいと言ってくれるのなら」
と遥人は那智の前にひざまずき、懇願するように那智の手を取る。
那智は遥人を見下ろし、笑って見せた。
「前も言いましたけど。
そうしてると、王子様みたいなんですけどね」
けど、なんだ? という顔を遥人はする。
「いいですよ。
貴方が何者でも。
人殺しでも。
結局は親に甘えてるだけのヘタレでも」
「おい……」
「職を失った貧乏人でも、私が養ってみせます」
遥人はそこで真顔になった。
結局は、路頭に迷ってしまった母のことが頭をよぎったのだろう。
「でも、……もう専務じゃないですね」
那智は自分もその場に膝をつき、言った。
「遥人さん。
もう一度、言ってみてください」
「え?」
と遥人がこちらを見上げてくる。
そんな俺がお前と居ていいとも思えない」
「大丈夫ですよ。
最初から、女を惨殺する王様だと思って仕えてますから。
むしろ、罪が軽いくらいです」
と言うと、父親殺しが罪が軽いか!? という顔をされた。
「……それでもお前がいいと言ってくれるのなら」
と遥人は那智の前にひざまずき、懇願するように那智の手を取る。
那智は遥人を見下ろし、笑って見せた。
「前も言いましたけど。
そうしてると、王子様みたいなんですけどね」
けど、なんだ? という顔を遥人はする。
「いいですよ。
貴方が何者でも。
人殺しでも。
結局は親に甘えてるだけのヘタレでも」
「おい……」
「職を失った貧乏人でも、私が養ってみせます」
遥人はそこで真顔になった。
結局は、路頭に迷ってしまった母のことが頭をよぎったのだろう。
「でも、……もう専務じゃないですね」
那智は自分もその場に膝をつき、言った。
「遥人さん。
もう一度、言ってみてください」
「え?」
と遥人がこちらを見上げてくる。