俺だけ見てれば、いーんだよ。





「ねえ、十夜。ホワイトクリスマスだね」

「ああ……。なんだ?そんなに嬉しいか?」

「だってなんかロマンチックじゃない」

「俺は嫌だ。傘が邪魔」

「え?」

「こういうこと」


次の瞬間、私は十夜に抱きしめられていた。

傘が地面に落ちて、ふたりの体の上に雪が落ちてくる。


「と、十夜?人が見てるよ?」

「そんなの、どーでもいい」

「でも」

「他のやつなんかどーでもいい。俺だけ見てろ」


十夜は体を離すと、私の両頬を手のひらではさんでキスをした。

「俺だけ見てれば、いーんだよ。」

「十夜……」

真剣なその瞳と言葉に、心臓が暴れ出す。


何度でも恋しちゃいそう。

喧嘩しても、

結婚しても、

死んで生まれ変わっても。

何度でも。




私はふふっと笑う。

「なんだよ」

「かっこいいよ、十夜」

「あたりまえだろ」


イルミネーションが輝き、幸せな恋人たちが行き交う聖なる夜。

どこかの教会から、鐘の音が聞こえた。



私も、ずっと好きだった人とこの街を歩いてる。

なんて幸せなんだろう。

「おい、那菜、頭びしょ濡れだぞ。ワカメみてーだな、ははっ」

「……十夜が傘飛ばすからでしょ!せっかく巻いてきたのに……」

「あ、俺のために、お洒落してきてくれたんだ?少しは女子力上がったんじゃねーか?前はゼロだったのにな」

「……っ、ムカツクっ!」



私の彼氏はイジワルで口が悪いです。

ムカツキます。

でも、やっぱり好きなんです。



「十夜!好きって言えっ!」

「やーだね。ホラ、行くぞ」


いつか好きって、言わせてやる。


私たちの未来は、始まったばかり。


これから、だからね!





私たちは、手をつないでキラキラ光るイルミネーションの中をゆっくりと歩き始めた。







END





最後まで読んでくださって、ありがとうございましたo(*^▽^*)o~♪
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