好きっぽい★
―――――――
それから……
言わなきゃいけないことがひとつ。

飲み会の日、ナギにキスしたのはオレ。

でも、謝らねーし。
失恋したんだから、それぐらいは許してくれるだろ?

旅先でナギより可愛い女の子に出会うこと祈っといて!

―――――――


え……ええええええ。

まさかの新事実発覚。

あの時、キスしてきたのは、大野先輩だったんだ。


「でも、大野先輩、なんであの部屋であたしが寝てること知ってたのかな?」


そう疑問を口にすると、カジ君が「ああっ」と呟いた。


「あん時さ、最初、オレの部屋を説明してもナギわかんなかっただろ?」


「うん」


「で、オレ、ついていこうとしたんだけど……大野に声かけられて、結局ついていけなかったじゃん」


そう言えば。

誰かに声をかけられたせいで、あたし達の会話はそこで中断したんだった。

あれって大野先輩だったんだ。


「大野、オレらの会話聞いてたのかもな。だから、ナギがオレの部屋に行くこと、わかってたんじゃね?」


さらに言えば、カジ君がミサコ先輩にタオルケットを託した時も、大野先輩はそばにいてふたりの会話を聞いてたんだって。



「なるほど……」


なんて納得しつつも……。


「それでもやっぱヤダ……。カジ君より先に大野先輩にキスされたなんて……」


涙目で訴えていると、カジ君がそっと顔を寄せてきた。

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