好きっぽい★
家にあがって、カジ君の部屋まで行く途中、お母さんがカジ君を呼び止めた。


「おかえりなさい。あら、ナギちゃんもいらっしゃい」


あたしはペコリと頭を下げた。


「カジ、ポット知らない?」


「ポット? ってお湯わかすやつ?」


「うん、アナタ自分の部屋に持っていってない?」


「持っていってねぇよ」


「おかしいわねぇ……。お茶お出ししようと思ったらポットがなくて……。まぁ、ヤカンで沸かすからいいけど」


そう言って、お母さんは部屋の中に入っていってしまった。


「お客様?」


さっきのお母さんの言葉から察したあたしは、カジ君に尋ねた。


「ああ。坊さんだよ。お盆だから……」


そっか……。

お兄さんの供養もしなきゃいけないもんね。

それにしても、ポット、どこいったんだろう?

いくらなんでも、にゃんこが持っていくわけないよね……。

あんな大きなものはさすがに無理だよね。
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