好きっぽい★
あたしが頭を巡らせて考えをまとめようとしていると、カジ君が叫んだ。


「兄貴! 何やってんだよ!」


そう。

あたし達の目の前にいるのは、まぎれもない、カジ君のお兄さんだった。


カジ君のこの反応を見る限り、幽霊ではなさそう。

というか幽霊が昼間からカップ麺をすするなんてありえないもんね。


「ただいま」って、エセ幽霊、お兄さんは片手を上げた。


「『ただいま』じゃねぇだろ。今までどこ行ってたんだよ!」


カジ君は立ち上がって、部屋の中にドカドカと入り込む。

そしてお兄さんのシャツの胸元をつかんだ。


「ちょ……おい。スープこぼれるって……」


体勢を崩したお兄さん。

気にかけてるのってそこ……?

あたしは心の中でつっこむ。


カジ君は突然「まさか!」と叫ぶと、今度は部屋の右手奥にある押入れへ向かう。

また襖を勢い良く開けた。


「やっぱり……」と呟くと、頭をガクンと倒してうなだれる。
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