好きっぽい★
「親父、『あんな恩知らずなヤツは二度とうちに入れるな!』って、この部屋にあった兄貴のもん、全部捨ててしまったんだ」


「じゃ、この部屋はもともとお兄さんの部屋だったんですか?」


「そういうこと」


「お兄さん、立ち入り禁止の“開かずの間”だ、なんて言ってた……」


「まぁ、それはある意味当たってるな。あれ以来、誰もこの部屋には寄り付かないようになってたから」


「そうなんですか。 もぉ、人騒がせもいいとこですよ。『この家には幽霊が出る』……とまで言ってたんですよ?」


「それは、きっとからかわれたんだよ。ナギが怖がるから。お前ってからかいやすいタイプなんだよな」


カジ君はそう言ってプッと吹きだした。

むぅ……。

なんかバカにされてる気がする。


だけど、何はともあれ、この家に幽霊が出るってことはないみたいで、あたしはホッと安心していた。


「にゃああああ」


そのとき、にゃんこの声がした。

見ると、押入れの中に入って、ごそごそ探っている。


「あ、こら」


カジ君がにゃんこを注意したその時、積み重なるように置かれていた、雑誌類の山が崩れて、床にばら撒かれた。


あたしはそれを集めようと手を伸ばす。


「あ……」


ある雑誌が目に入った瞬間、その手が止まった。
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