好きっぽい★
「あれは親父の弟だよ。つってもオレも会ったことないんだけど。若い時に亡くなったらしくて。びっくりするぐらい兄貴に似てるだろ?」


お父さんの弟……ってことは叔父さん?

そ、そうだったのか……。


「それから、一昨年の夏にいなくなったっていうのはさ……」


「うん」


「家出だよ」


「え? 家出?」


「そ。大学4年の夏。卒業が近づいてきて、何ビビったんだか、『オレは企業の歯車になるつもりはねー! 人生のレールは自分でしくぜ』とか、わけわかんねーこと言って、突然いなくなったんだよ」


う……。

そういうアウトローな人生に憧れる若者っているとは思うけど……。

まさにカジ君のお兄さんがそうだったのね。


「勝手に出てくのはいいんだけどさ。兄貴、わりといい会社に内定もらってたんだよ。でも、それって実は親父が知人に頼んだコネだったわけ。だから親父、激怒りして、しばらく家ん中ごちゃごちゃして大変だったんだ」


なるほど……。

そういういきさつがあったんだ。

だからお父さんは「あいつの話はもうやめよう」って、険しい顔して言ってたんだ。

きっとお兄さんのことを怒ってたんだ。


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