続・生きる。


肝心な卒業式はすごくあっさりした

形式的なもので感動もなにもなかった。


「別に出なくてもよかったかも。」


みんなで教室へ戻ってるときに

私がそう言った。


「卒業式なんてあんなもん。

中学とかだと違ったりもするけどな。」

湊がいった。


……そうなの?

アメリカだともっと…こうさ…

日本って寂しい…。


「まあこの高校は幼稚園から大学まで

一回入ったら一気に行くしね。

みんな一緒だから高校の卒業式は関係ないかもな。」

と爽が教えてくれた。


「みんなは中学からここなの?」


「いや、俺らは高校から。

中学は地元の行ってたよ。」


へー…そうなんだ。


「じゃあ中学のときは泣いた?」


「俺らが?泣くと思う?」


「泣かないね。爽は一番泣かなそう。」


「だろ。」


爽とそんな話をして教室へ戻った。

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