ほんとのキミを、おしえてよ。
「あーっと!ごめんなさい!私自然乾燥タイプの人でして、五十嵐くんそういうのダメでしょうか?嫌なら速攻で乾かしに参ります!!」
あなた様の言うとおりにしますので、どうか追い出すのだけは勘弁を……!と私が祈っていると
五十嵐くんは口に手を当て、少し考えた後で
「……いや、いいよ。ただ風邪ひかないでな」
一瞬困ったように微笑んだ。
あ、心配してくれてたのね……!相変わらず優しいな。
「ありがと、でも私高校入ってから風邪引いたことないし大丈夫!」
それにこの部屋あったかいし、こうやってればすぐに乾くと思う。
私は元気である証拠を見せようと、出来る限り満面の笑みを浮かべた。
「っ、はあー……なんなんだよ」
五十嵐くんが天を仰いで腕で顔を隠した。
ため息混じりに聞こえた言葉。
低く低く、数秒たったら消えてしまいそうなくらい小さな声。
私に聞かせる気なんてなかったのかもしれないけど、私の耳にはしっかり届いてしまった。
ドクンドクンと心臓が脈を打つ音が身体中に響く。
それが驚きか戸惑いかなんなのかはわからない。