ほんとのキミを、おしえてよ。
「なあ柊、自分のことちゃんと見ろって。相手とか周りだけじゃなくてさ。人のことはよく見えるくせになんで自分のことになるとそう見えなくなるんだよ」
見えてない?俺が?
晴の言葉に違和感を持つ。
さっきからなんか腑に落ちない。
「いや、なんか見えてないっていうか……」
ぽつりと呟いて自分の思いにふける。
自分が見えてないんじゃない。
自分の時間を取ろうと一人になるといつも、中村さんが現れるんだ。
ここ最近、ずっとだ。
ふとした瞬間思うと、中村さんに俺の頭も心も全部奪われる。
自分のこと考えようとするとかなら中村さんが浮かんでくる。
笑ってて、いつも楽しそうな笑顔が似合う中村さん。
ときには、怒って我を忘れて男だろうと摑みかかってる中村さん。
ここ最近ずっとリピートされるのは、決まって中村さんのいろんな顔。
俺の中学の頃のジャージを着た中村さん。
振り返ったときの十数センチしかない距離。